国土交通大臣賞B05Tokyo記念サステナブル建築・住宅賞(商業・サービスビルの部)
「トヨタインスティテュート グローバルラーニングセンター」
建築主 | トヨタ自動車 |
設計者 | トヨタ自動車(株) (株)日建設計 大成建設(株) 名古屋大学環境学研究科 奥宮研究室 |
施工者 | 大成建設(株) |
建設地 | 静岡県三ヶ日町 |
構造 | S造・一部SRC造 |
階数 | 地上5階建 |
延床面積 | 10,322m2 |
講評
三ヶ日町郊外の丘陵地の中腹、浜名湖を見下ろす好位置に建つ、海外社員向けの研修施設である。掘削や伐採を極力抑制する方針で高低差なども原状を残しながら、平面計画も違和感なく、周辺景観によくなじんでいると感じられた。
建築面では、まずエントランスホールの大ガラス面にダブルスキンと自然換気、ロールシェードを組み込んだ大仕掛けがうまく機能しているのが目を引いた。そのほか西向き外面への縦ルーバーによる日射遮蔽、Low-eガラスの採用、外断熱、低層部屋上の植栽とウッドデッキの設置などが行われ、また、海外からの来訪者を意識して宿泊室の温度調整幅を拡大するなどの配慮も行き届いている。
設備では、マイクロガスタービンによるコジェネレーションが採用されており、外気導入部のサーマルトンネルが設けられ、搬入動力削減の諸対策も実行されている。また排水処理による節水と外部環境への負荷抑制が図られている。さらに性能検証のための計測を実施し、在来の同種施設との比較で約22%の省エネルギーが達成されたとしている。
以上により本施設は、この設計事務所が長らく推進してきた環境志向建築の1つの到達点を示すものとして高く評価することができる。