審査委員会奨励賞B05Tokyo記念サステナブル建築・住宅賞(事務所ビルの部)
「松下電工東京本社ビル」
撮影:翼水 進
建築主 | 松下電工(株) |
設計者 | (株)日本設計 (株)日建設計 |
施工者 | 鹿島建設(株) (株)関電工 (株)きんでん 高砂熱学工業(株) 三機工業(株) |
建設地 | 東京都港区 |
構造 | S造(CFT構法)・SRC・RC造 |
階数 | 地上24階地下4階 |
延床面積 | 47,274m2 |
講評
超高層ビルの林立する汐留地区において数少ない中規模オフィスビルではあるが、事務所エリアにおいては2層を1組にしたのびやかな空間構成と省エネ計画がよく追求されている。自然換気口の設置による手動操作や外気冷房システムの採用、太陽光追尾ブラインド制御による自然光の利用、高断熱ガラスとエアフローウィンドウシステムなどが実施された省エネの例として挙げられる。エリアコントロールはディテールにいたるまで実行されている。本社ビルとして大胆な階層構成を行い、最上階をよりオープンなスペースとして多くの職員、来訪者が利用できるように計画し、その部分に屋上緑化を計画した点において利用者の心理面にも配慮した効果的な環境建築であると思う。西面ファサードの夜間の景観は美しく、都市に潤いを与えている。
エネルギーコントロールは企業の内容を反映し、細やかに実行されるとともにリサーチの継続化が多くの建築のために役立つデータとして蓄積されている。
省エネルギーとともにスケルトン・インフィルの考えを導入した、構造計画、内外装計画、設備計画などが基本テーマとして設計された点、今日のオフィスビルのあり方として高い評価に値し、審査委員会奨励賞にふさわしい作品である。