審査委員会奨励賞B05Tokyo記念サステナブル建築・住宅賞(その他ビル部門)
「大東文化大学(第1期)中央棟・図書館/39号館」
建築主 | 学校法人 大東文化学園 |
設計者 | (株)中村勉綜合計画事務所 (株)山本・堀アーキテクツ |
施工者 | (株)大林組 |
建設地 | 東京都板橋区 |
構造 | RC+S造 |
階数 | 地上5階地下1階 |
延床面積 | 15,985m2 |
講評
比較的密集した地域における大学キャンパスの建替え計画である。設計業務は、設計競技で獲得されたものであるが、人と人(学生同志、教師と学生など)の係わりを重視するため、高層とせず中低層とした計画が評価された。
広くはない都心型キャンパスに、半屋外空間や中庭等を巧みに配置し、優れた空間構成とデザインになっている。特に、スパイン空間と呼ばれるコミュニティーを重視した中間領域を評価する意見が多かった。この空間を含めて、教室等の内部空間においても木質の内装やサッシを多用し、健康的でやさしい表情となっている。省エネ技術として、太陽光発電、風力発電、屋上緑化、外気冷房、光触媒利用の布製外付けブラインド、ガスエンジンコジェネ、クールチューブ、さらには地熱利用中空杭など多様な要素技術が採用され、環境コントロールの技術とデザインも優れたものとなっている。
総体として、省エネ、サステナビリティー、健康性などバランスの良い環境配慮計画がなされているが、残念なのは、評価・検証に係る資料が不十分であることと、第1期竣工分の応募であるため、対象部分のみについてみるとオーバースペック気味で、本来の機能・性能が十二分に発揮されていないことである。第3期までの全体計画が完了すれば、より高い評価も可能性と思われる。