審査委員会奨励賞第2回サステナブル建築賞(事務所ビル部門)
「Honda和光ビル」
建築主 | 本田技研工業(株) |
設計者 | (株)久米設計 |
施工者 | (株)竹中工務店 新菱冷熱工業(株) (株)関電工 |
建設地 | 埼玉県和光市 |
構造 | S造・CFT造・一部RC造 |
階数 | 地上6階建 |
延床面積 | 52,138m2 |
講評
環境負荷の低減に努め、CASBEEはSを達成している。南北の外周部にアトリウムを配置し、外周周りの熱負荷の削減に加え、季節の応じた環境調整機能を持たせており、オフィス空間の快適性にも繋がっている。中央アトリウムは、空調や採光に活用されているとともに、オフィス空間の一体感や開放性の実現に効果を挙げている。階数が6階に抑えられていることも、中央アトリウム空間の効用を高めている。無柱オフィス空間は、空間の快適性に寄与するとともに今後の業務の変化にフレキシブルに対応できることや、制振装置をアトリウムに表現して設け、安全性居住性の向上が図られていることも、サステナビリティの向上に有効である。機械室を小さく分割し外周アトリウムを分節する形で分散配置していることや、大型ガラスカーテンウオールの支持架構がコールドドラフトの低減に役立っているのは、今後の活用が期待できる面白い試みである。残土を外部に出さず、敷地中央に「緑の丘」を造るなど、豊かな外部空間を実現するとともに、これの一部を周辺住民に開放しているのは、環境保全の面からも評価できる。