IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞第2回サステナブル建築賞(商業・サービスビル部門)

「近江八幡市立総合医療センター」

建築主PFI近江八幡(株)
設計者(株)内藤建築事務所 (株)大林組
施工者(株)大林組
建設地滋賀県近江八幡市
構造RC造(一部S造)
階数地上5階建
延床面積33,873m2

講評

 PFIにより受注した医療センターである。長寿命建物とすることが大きな目的であり、省エネルギーと環境性能の向上の他、経済性も十分考慮した建物である。平面計画ではスケルトンインフィルの考え方に沿って、可変性と拡張性を強調し、設備更新やメンテナンスを重視している。構造は免震構造であり、コンクリートの水セメント比を少なくし、かぶり厚さも深くして、長寿命を目論んでいる。省エネルギー手法では、大きな庇効果、光庭による昼光利用、クールピットによる外気負荷の低減、CGS等が大きな効果を挙げていると推測できる。この他、太陽光利用、水蓄熱槽による蓄熱システム、屋上緑化が挙げられる。施工における環境共生手法では、ゼロエミッション、地域材の利用、建物周辺の植樹、雨水管理システム等が挙げられる。ライフサイクルの視点に立った省エネルギーと経済性を建物設計に生かし、ビジネスとしてもよい効果を挙げている医療センターであり、今後の代表的な医療建物として推奨できる内容をもっており、PFIという条件の下に、設計、施工、運営される医療センターとして高い評価を与えることのできる建物である。

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