IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞第5回サステナブル建築賞(事務所建築部門)

「豊洲キュービックガーデン」

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建築主第一生命保険(株)
設計者清水建設(株)
施工者清水・前田・日本建設共同企業体
建設地東京都江東区
構造S造(一部コンクリート充填鋼管構造)、SRC造
階数地上14階地下1階塔屋1階
延床面積98,806m2

講評

昭和初期に埋め立てられた豊洲地区の再開発によって誕生した、職住遊学が融合したエリアに立地する中層大空間オフィスビルである。このエリアは、都心部とは異なって街区規模が大きく、開放的な趣を持っている。建物は、間口76m×奥行き89m×高さ75mのキューブ状のオフィスである。オフィス部分は1,500坪、天井高3mの大空間であり、14.4mグリッドに柱を配している。建物に吹き抜けが貫入したデザインが特徴的だ。
オフィス室内は、外周部をオープンなミーティングスペースとし、ウインドミル型に配されたデスクレイアウトと合わせて知的生産性向上が期待できる。様々なコンピュータ・シミュレーションを経て採用された全層型ダブルスキンと、人感センサ、明るさセンサを組み合わせた照明制御と共に、デザイン性にも優れた高性能の環境配慮型ファサードを形成している。
建物には随所に緑を配しており、その緑被率は40%を超えている。ラウンジ状のガーデンは、オフィス内の各所に配されていて、執務者のリフレッシュに寄与している。エコボイドや中間フロアのトップガーデンがとても美しい。
12層を一体とした全層型のダブルスキンは、季節に応じて最上部の電動式開閉パネルを制御することで、年間の空調負荷を抑制している。竣工後の温熱環境実測でも優れた性能を確認できている。熱源システムはガスと電気のベストミックスであり、フリークーリングやナイトパージを組み合わせて、夏期電力のピークシフトをはじめとする省CO2を実現している。さらに人感センサ点滅制御、明るさセンサによる照明制御、CO2濃度センサによる外気導入量制御、変流量による搬送系の省エネ化も採用した。
免震構造、BCPマップ、非常時給排水システム、特高電気室の分散化等のBCP対策が十分に検討されている。建築計画上、設備システムにおける工夫や景観上の配慮によって、東京都低炭素ビルTOP30に選出され、CASBEE Sランクも取得している。
省エネ性能に優れた環境配慮型オフィスビルとして高く評価したい。

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