IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞第1回SDGs建築賞(大規模建築部門)

「横浜市役所」

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所在地 神奈川県横浜市
構 造 S造、中間免震構造+制振構造
規 模 延床面積 142,582.18m2 地上32階/塔屋2階/地下2階
建築主 横浜市
設計者 ㈱竹中工務店
施工者 竹中・西松建設共同企業体

講評

 本計画地は、みなとみらい21、桜木町、野毛、関内の結節点に位置し、港まちの景観となるスカイラインを形成し、景観や地域の歩行者ネットワークなど都市デザイン上の重要な位置づけとなっている場所にある。
  本建物は、その立地条件とSDGs達成を意識し、「豊かな市民力を生かすひらかれた市役所」、「危機管理の中心的役割を果たす市役所」、「長期間使い続けられる市役所」、「市民に永く愛されホスピタリティあふれる市役所」、「環境に最大限配慮した低炭素型市役所」の5つの基本理念に基づき建設され、その理念を具現化したものである。
  主なSDGs達成への取り組みとして、省エネと快適性を両立するための技術である、ダブルスキンカーテンウォール+エコボイドによる自然換気、輻射空調、デシカント空調を採用している。これらの技術を採用することにより大規模複合用途建築物でありながら、竣工時にZEBreadyの認証を取得している。実際データとして、コロナ禍、CO2濃度制御を中止したにもかかわらず、52%の削減達成している。さらにCO2削減の取り組みとして、横浜市内焼却工場バイオマス発電の自己託送等により、使用電力の100%再生可能エネルギー化を実現している。
  資源循環への取り組みとしては、横浜市の水源林である道志村産間伐材を使用した什器を設置し、木材利用の循環となる計画となっている。また、BCP計画として、中間層免震+制震のハイブリット免震を採用。主要な設備機械室を中間免震層より上部の4階に設置し、地震、津波、高潮にも対応した庁舎となっている。
  特筆すべき点としては、大規模複合用途では高い環境性能を発揮するのは難しいが、本庁舎は14万㎡を超える大規模超高層庁舎でありながら、ZEBreadyの認証を取得している点である。また、SDGs未来都市・横浜を掲げた政令指定都市の庁舎であり、SDGs達成に取り組む具体的な事例として、この庁舎の果たす役割は大きいと考えられる。

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