IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

審査委員会奨励賞第2回SDGs建築賞(中・小規模建築部門)

「SHIMZ CYCLE UNIT」

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所在地 東京都江東区
構 造 木造
規 模 延床面積 49.69m2 地上1階
建築主 清水建設㈱東京木工場
設計者 清水建設㈱
施工者 ㈱オノツカ

講評

 本取組は、従来、プレハブ・軽量鉄⾻造で作られていた仮設の現場事務所を⽊造で作ったものであり、建設業の直⾯しているCO2削減や作業現場のウェルネス向上等の課題に応えていこうというものである。⽊造とすることで、CO2の固定化の効果が⾒込めるほか、組⽴、解体、移動、転⽤を容易にする⽊造ユニット移設システムを新たに開発したことにより、従来のプレハブ現場事務所と同等の組⽴期間での組⽴を可能とするとともに、4割のCO2排出削減を実現している。また、⽊造の持つ⾼い断熱性能等により、ZEB Readyの取得も可能であるとしており、この結果として温熱環境の向上・快適性の⾼い空間を確保するものとなっている。また、基本モデュールの連結により⾃由な構成も可能となっており、仮設現場事務所だけでなく、仮設校舎・住宅としての可能性も追求している。これらの取組は、SDGsに掲げるゴール13「気候変動に具体的な対策を」、ゴール3「すべての⼈に健康と福祉を」、ゴール12「つくる責任つかう責任」のみならず、ゴール9「産業と技術⾰新の基盤をつくろう」にも寄与するものとなっている。このように、主に技術⾰新の⾯で⾼く評価できるものであるが、平⽶あたりの概算⼯事費が従来のプレハブに⽐べて極めて⾼いものとなっているように、今後の普及・拡⼤という点で課題を抱えていると思われ、これからのコストダウン及び⼀般化に向けた取組に期待したい。

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