理事長賞第10回環境・省エネルギー建築賞(事務所ビル部門)
「積水ハウス九段南ビル」
所在地 | 東京都千代田区 |
構造 | SRC造 |
規模 | 延床面積9,064m2 地上10階地下1階 |
建築主 | 積水ハウス(株) |
設計者 | 鹿島建設(株) |
施工者 | 鹿島建設(株) |
講評
有効性が確認されている省エネルギー手法は落ちなく採用されているが、特筆するべきは東面ファサードのダブルスキンを流入口、コア部に設けられた「エコシャフト」と称するボイド空間を流出口とし、これを執務室を介して結ぶ形で展開されている自然換気システムであろう。そこには建物全体を一つのエネルギー装置として機能させようとする明確な計画意図が汲み取れる。
また、その際の空気の流れ及び省エネルギー効果が長期にわたり綿密に計測・検証されている。いわゆるハイブリッド換気は、近年研究が重ねられ、実施例も多くなっているが、ここに至って他の建築的・設備的手法と緊密に融合してシステムとしての完成に近づいていると思われた。
設備面でも目新しいものとしては、2次冷温水の流量制御において2方弁を使用せず、系統的にポンプを分散配置している点が挙げられる。