理事長賞第10回環境・省エネルギー建築賞(その他ビル部門)
「北九州市立大学国際環境工学部」
所在地 | 北九州市 |
構造 | PC・RC造 |
規模 | 延床面積20,280m2 地上4階 |
建築主 | 北九州市 |
設計者 | (株)日本設計 |
施工者 | 竹中・東急・太平 共同企業体 代表 (株)竹中工務店 菱和・西本・菅 共同企業体 代表 (株)テクノ菱和 |
講評
環境や省エネルギーに対するハードウェア、ソフトウェア両面で高水準の要素技術を採用した公立大学の工学系学部の施設である。
政府関係機関の補助金を最大限活用して、150kW太陽光発電パネル、160kWガスエンジン発電機+200kW燃料電池のコ・ジェネレーション・システムで構成される複合エネルギーを導入している。排熱を利用した空調では大温度差冷房を導入している。太陽光発電パネルによる発電量は、講義・研究室棟、実験棟、学術情報センターや事務棟における年間消費電力量の20%強と言う実績を誇っている。
また、講義・研究室棟における自然換気・排熱を意図したソーラーチムニー、地熱利用を意図したクールピット、昼光利用と温度差換気を意図した光庭の採用、実験棟における設備配管等の維持管理・更新を意識した設備計画など、建築計画上の配慮も見られる。
建物は外部に開放された計画であり、施錠などのセキュリティーを集中管理しているが、建物内部の照明・空調の運転制御をセキュリティー管理と一体化しており、エネルギ-管理に対する配慮も見られる。
これらの仕掛け・工夫を児童生徒などに理解させる判り易い展示パネルを作成し、説明会を実施している。建物を上手く活用して、環境配慮・省エネルギーを普及させている点も評価できよう。
以上のように、建築計画、設備計画の両面で環境や省エネルギーに配慮した総合的な設計・運営を行っている建築物であることから、(財)建築環境・省エネルギー機構理事長賞に十分値すると評価できよう。