講評

　全面ガラスであるが、ボックス庇と複層ガラスの採用によってPAＬは十分に小さくなっている。コアのライトウェルによる自然採光や、蓄熱空調、雨水利用、全熱交換、ナイトパージ、CO₂制御、Ｈｆ照明、照明ゾーニングなどの手法も効果を上げている。全体にオーソドックスで地味な印象を受けるが、建築と設備のバランスの良い手堅い計画となっており、デザイン的にもよくまとまっている。
　 エネルギー消費の実績値は、２４時間に近い運用がなされている建築物でありながら極めて優れており、評価に値する。また、限られた予算の中で、コストの配分（メリハリをつけた投資）への配慮が卓抜で、コストパフォーマンスの大変良い建築となっている。
　 既存の基礎や樹木を残す取り組みも評価できる。