審査委員会奨励賞第10回環境・省エネルギー建築賞(事務所ビル部門)
「神戸関電ビルディング」
所在地 | 神戸市 |
構造 | 地下:RC造、SRC造 地上:SRC造、S造 |
規模 | 延床面積33,295m2 地上19階地下2階 |
建築主 | 関電産業(株) 関西電力(株) |
設計者 | (株)日建設計 |
施工者 | (株)竹中工務店 高砂熱学工業(株) |
講評
高層ビルの屋上に構築された電波塔の「高さ」を活用し、空気の上昇・吸引効果を増幅して建物自体の換気を促進するシステムが特徴である。屋上タワー部分をガラスで被覆した「煙突空間」と、建物を縦に貫通する3ヶ所の「換気シャフト」とを接続して、各階のオフイスの自然換気を促進する。
自然換気時、建物のコーナー部分に設けられた専用給気口が開放され、外気が導入される。外気は、床下を経由して床面から室内に供給され、天井懐を経由して、「換気シャフト」に排出される。年間の空気搬送負荷の7-8%を軽減するとともに、中間期の積極的な外気導入を図って空調負荷も軽減されている。 専用給気口は卓越風に配慮して設置され、ファサードの一部として巧みにデザインされている。屋上構築物の高さ・形状を環境制御に生かすと同時に、ユニークなランドマークとなって街の景観を構成している。