審査委員会奨励賞第10回環境・省エネルギー建築賞(その他ビル部門)
「慶応義塾大学日吉来往舎」
所在地 | 横浜市 |
構造 | S造 |
規模 | 延床面積18,606m2 地上7階 |
建築主 | 学校法人 慶應義塾 |
設計者 | 清水建設(株) |
施工者 | 清水建設(株) |
講評
一般教育部門の研究室群と図書館などの共用施設を収納し、キャンパス内の広場としての役割を持つ記念館である。緩やかな斜面を成す地上レベルにはガラススクリーンが多用され、周辺の豊かな景観を取り込んだ開放的な広場空間がつくられている。その上部に、その巨大な中庭空間を囲むように、研究室群、図書館などが配置されている。アトリウムには、太陽電池を装着したガラス屋根がかけられているが、風が吹き抜ける準外部空間である。ガラススクリーン上部は、常時開放され、強風時などに必要に応じてシャッターが下ろされる仕組みだ。
アトリウムを活用した自然換気・太陽光発電、免震構造のためのピットを活用した冷気導入のほかに、日射制御、コジェネ、熱回収、雨水利用などが試みられ、多様で堅実な省エネ・省資源手法の導入が評価された。周辺の恵まれた自然や地形の条件を生かした気持ちのよい建築である。