審査委員会奨励賞第10回環境・省エネルギー建築賞(その他ビル部門)
「(株)大協精工佐野第五工場」
所在地 | 栃木県佐野市 |
構造 | S造 |
規模 | 延床面積17,088m2 地上4階 |
建築主 | (株)大協精工 東京電力(株) |
設計者 | 大成建設(株) |
施工者 | 大成建設(株) |
講評
2001年2月に竣工した医療用ゴム栓、医療用器具の製造施設であり、製造工場と研究開発センターの機能をもつ。製造エリアの70%がクリーンルームであり、製造装置と建築設備を一体として省エネルギー計画に取り組んだ点が高く評価される。
建物の外観は全面ガラスであるが、水平ルーバーと垂直ルーバーで日射遮蔽している。工場という制限の多い中で、エネルギー消費量の多くを占める換気動力を省エネルギー制御した点、外気冷房やエネルギーのカスケード利用を導入した点は高く評価できる。
STL氷蓄熱槽等、高いCOPを発揮し得る熱源機器を採用し、夜間電力を利用した電力負荷平準化に貢献している。省エネルギー達成率は年間電力削減量47.1%減、重油削減量16.7%減となっている。
建物として全体のまとまりは良いものの、周辺に緑地が少ない点や現場発泡ウレタンを断熱材として全面的に採用した点は温暖化ガス削減の観点から今後、留意が必要である。