ベターリビング理事長賞第2回サステナブル住宅賞
「N邸」
建築主 | 個人 |
設計者 | (有)奈良建築環境設計室 |
施工者 | 拓友建設(株) |
建設地 | 北海道札幌市 |
構造 | 混構造 |
階数 | 3階建 |
延床面積 | 217m2 |
講評
札幌の厳しい冬に配慮した堅固なつくりが印象的だ。1階,2階が補強コンクリートブロック造で、3階が木構造。開口部も躯体も、ともに十分な断熱化、気密化がされている。コンクリートブロック壁は外断熱施工で、その熱容量は室温の安定化に寄与している。この部位は晴天日には大きな窓から入ってくる日射熱をも蓄え、パッシブソーラー暖房効果をもたらしている。一冬を過ごして、その効果は体感され、エネルギー消費量の調査からも省エネ効果が明らかにされている。吹き抜けのある空間は寒冷地の閉ざされがちな冬の室内に開放感を与えている。この空間の特性に対応した温水床暖房の導入も合理的だ。補助的にラジエーターも使用される。室内は温度むらがなく、均一な暖かさが確保されていると報告されている。熱源は地中熱を利用した寒冷地対応のヒートポンプシステム。もちろん放射冷房もできるが、高さを利用した通風・換気も気持ちよさそうで、それを生かすことも工夫して欲しいもの。基本に忠実で、バランスの取れたとれた省エネ住宅として完成度が高い。