IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

優秀賞第3回サステナブル住宅賞(改修部門)

「T邸」

建築主個人
設計者(株)菊池技建
施工者(株)菊池技建
建設地山形県山形市
構造木造
階数2階建
延床面積126m2

講評

山形市(Ⅲ地域)に建つ築35年の2階建て在来工法木造住宅に行われた全面的断熱改修の事例である。外壁、屋根、基礎周りとも断熱化を進め、併せて、基礎の補強・現行基準に沿った耐震壁の配置を行っている。ここで構造材には地元産木材を使用することで輸送等に伴う環境負荷の低減を図っている。最大の熱的弱点になりがちである窓については、改修前の単板ガラスをアルゴンガス入りLow-E複層ガラスに、普通サッシを断熱サッシに、と大幅に断熱性を高めている。さらに設備についても、暖冷房はヒートポンプエアコン、給湯はCO2冷媒ヒートポンプ給湯器(いわゆるエコキュート)と、エネルギー消費量の大きいところに適切に高効率機器を採用している。全体として、基本に忠実に手堅い手法を確実にこなしている安定感がある。その効果は、改修前後のエネルギー消費量比較、光熱費、さらには居住者の生活実感にもよく表れている。また改修中の記録がしっかりと残されている点も評価すべきと思われる。

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