ベターリビング理事長賞第8回サステナブル住宅賞(新築部門)
「瓦田の家」
建築主 | 個人 |
設計者 | (株)低燃費住宅九州 WELLNEST HOME事業部 |
施工者 | 同上 |
建設地 | 福岡県大野城市 |
構造 | 戸建・木造 |
階数 | 2/0(地上/地下) |
延床面積 | 112m2 |
講評
「瓦田の家」は福岡県大野城市に建設された、延べ面積約110m2の2階建て木造軸組住宅となっている。建設地である九州地方は、黄砂やPM2.5による環境問題が報道等でも大きく取り上げられるなど、住宅の室内環境への配慮も設計上の重要なファクターとなっている。
本住宅は、上記のような課題に対応するため、高性能フィルターを用いたダクト式第1種換気システム等を採用するとともに、BEST-Hを活用し温度や湿度などの室内環境や、一次エネルギー消費量をシュミレーションしながらプラン検討を行っている。その結果として、近年採用事例の増加している樹脂Low-Eトリブルガラス窓を使用する等の外皮性能の向上(UA値:基準値0.87W/(m2・K)に対し設計値0.27W/(m2・K))や、省エネに係る性能向上が進む電気ヒートポンプ給湯器の使用など、既に普及が進んでいる、あるいは進みつつある技術を適切に組み合わせ、さらに太陽光発電設備を設けることにより、建築物エネルギー消費性能表示制度(BELS)でネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の評価を取得している。
また、地産材を活用するなどの様々な環境配慮によりCASBEE評価でSランクを達成するとともに、耐震性能上の配慮が必要となる大きな吹抜け空間を有しつつも住宅品質確保法に基づく住宅性能評価で耐震等級3を取得している。さらに併せて耐久性や維持管理の容易性が求められる長期優良住宅認定も取得するなど、住宅に求められる様々な性能が高いレベルで確保されていることも第三者的に確認された住宅となっている。
現代は、上記のような様々な住宅の性能が高いレベルで要求される時代となってきているが、本住宅は各要素技術の内容を正しく理解し組み合わせることにより、普及性の高い技術を組み合わせ用いることで、その性能を達成することができることを示した設計事例であると考えられる。