IBEC s(一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター)

J-CAT®の特徴

J-CAT 2024.5試行版からJ-CAT 2024.10正式版への改訂点はこちら

特徴1 活用目的に合わせた3つの算定法を提供

J-CAT(2024.10正式版。算定ソフト及びマニュアル。以下、同じ。)では、設計から竣工までの最も標準的な利用を想定した「標準算定法」、 設計初期段階の概算用の「簡易算定法」、竣工段階の精算等用の「詳細算定法」と、活用目的に合わせた3つの算定法を用意しています。
なお、「詳細算定法」は、(一社)日本建築学会の「建築物のLCAツール」(AIJ-LCA_LCW_ver.6.02)を活用し、J-CATとしては「建築物のLCAツール」への入力を支援する「仕訳表」及び「集計表」並びに「標準算定法」等と同様の形式での出力を支援する「ホールライフカーボン算定結果表示ソフト」を用意しています。

算定ソフト_簡易算定法

EXCELファイル名 内EXCELシート
1_J-CAT_Software_Simplified Calculation
表紙、注意事項、入力手順、入力シート(A1~5,B2~5,C1~4)、入力シート(B1)、入力シート(B6,7)、算定結果、詳細算定結果、算定結果報告用シート

算定ソフト_標準算定法

EXCELファイル名 内EXCELシート
2_J-CAT_Software_Standard Calculation
表紙、注意事項、入力手順、入力シート( A1~5,B2~5,C1~4)、入力シート(B1)、入力シート(B6,7)、算定結果、詳細算定結果、算定結果報告用シート、EPD組込

詳細算定法支援ツール

EXCELファイル名 内EXCELシート
3_J-CAT_Classfication Table
(内訳書)仕訳表
建、電、空、衛、昇、算出分類、複合原単位、コード表電、コード表空、コード表衛、コード表昇、電気主要設備機器、配管・ケーブル
4_J-CAT_Summary Table
(集計表)
GHG排出量計算集計表、複合原単位、排出原単位、電、空、衛、昇、SHASE、物価補正
5_J-CAT_Software_Detailed Calculation
(算定結果表示ソフト)
表紙、注意事項、入力シート (A1~5,B2~5,C1~4,B6,7)、算定結果、算定結果報告用シート

特徴2 ホールライフカーボン(WLC)の算定が可能

J-CATでは、ISO21930における表記区分に準拠した形で、原材料の調達(A1)から施工(A5)までのアップフロントだけでなく、使用段階(B1~B7)に加えて、解体・撤去(C1)から廃棄物の処理(C4)まで、建築物のライフサイクル全体を通じたホールライフカーボンの算定が可能です。
なお、補足情報のD区分(再利用・リサイクル・エネルギー回収等)については、将来的に算定を検討することとしています。

特徴3 金額ではなく数量ベースでも算定が可能

J-CATでは、排出量原単位は産業連関表に基づく(一社)日本建築学会の「AIJ-LCA原単位データベース」を基本としていますが、従来から多用されている簡易的な金額ベースではなく、物価上昇や契約金額の変動などの影響を受けない資材数量ベースの算定も可能です。

特徴4 デフォルト値の充実

J-CATでは、冷媒によるフロン漏洩量算定方法は、国際的な算定方法と整合した算定方法を用いています。ただし、漏洩率の設定は公表済の最新統計値を用いるとともに、削減策も反映可能な枠組みとしています。
そのほか、更新周期及び修繕率については、最新の(公社)ロングライフビル推進協会(BELCA)のデータ集及び(一財)建築保全センター(BMMC)の建築物のLCCデータ集を参考に初期値を設定しています(BELCAとBMMCの平均値等)。

特徴5 算定結果情報の充実

J-CATでは、ホールライフカーボン、アップフロントカーボンの詳細な内訳、時間経過に伴う算定条件の変化を加味した結果表記、炭素貯蔵量の表記など、多様な活用を想定した詳細な算定結果を表示できます。
また、CASBEE評価結果書式を参考に、建物概要、外観、評価結果、配慮事項で構成された一般向けの結果表記、専門家向けの結果表記の2つを用意し、算定者の目的に合わせて活用できます。


5つの特徴に加えて、J-CATでは、資材数量削減、低炭素資材採用、EPD(環境製品宣言)の活用、木材利用、施工努力、長寿命化、フロン削減、オペレーショナルとエンボディドのトレードオフなど、多様なGHG排出量削減手法に対応可能です。

■J-CAT 2024.5試行版からJ-CAT 2024.10正式版への改訂点 

1) 原単位の入替
建物のLCA指針の改定に合わせて原単位の入替を行っています。これにより2005年産業連関表ベースの原単位から2015年産業連関表ベースの原単位となっています。
2) 算定範囲の拡張
建物のLCA指針の改定時に、最新データベースで新たに追加されたGHG原単位を用いて、簡易算定法及び標準算定法では、試行版でのCO2+HFCs対応に加えて、国際整合を意識したGHG全般対応の2種類の算定結果表示を可能としました。また、試行版で未実装となっていた、C3、C4段階の計算をできるようにソフトを修正しました。
3) 複合原単位の拡充及び資材数量入力可能な範囲に土工事と型枠を拡張
建物のLCA指針の改定に追加された複合原単位を取り込み、かつ土工事や型枠の資材数量を入力可能とするなど、より多様な資材の入力に対応可能としました。
4) 最新EPDの取り込み
2024年5月以降に公表されたSuMPO EPD及びEPD Hub、EPD Internationalの日本製品の取り込みを追加しました。
5) D段階の算定結果表示を実装
ISO21930に準拠した算定方法として、D段階の算定結果表示を実装し、B6,7段階におけるマイナス分をD段階に計上可能な変更を行いました。この修正に伴い、ソフトのエネルギー入力シートで、消費エネルギーと創エネルギー(自己消費以外の部分)を別々に入力できるように修正しました。
6) コンクリートのCO2固定量算定を実装
コンクリートのCO2固定係数を入力することで、エンボディドカーボンの計算と合わせて炭素固定量を算定することが可能な機能を追加しました。
7) 太陽光発電設備の入力機能を追加
再生可能エネルギーの代表的な設備として、太陽光発電設備についてはエンボディドカーボン算定で入力できるように、入力欄を追加しました。
8) 都市ガスの排出係数の将来変化を参考情報として追加
経年変化グラフの参考情報として試行版に実装されていた電力の排出係数の将来変化について、さらに都市ガスの排出係数の将来変化についても追加して、エネルギーの排出係数の将来変化としました。

 

戻るボタン