Annex
IBECsでは、国際エネルギー機関(IEA)における建築物の省エネルギー対策に関する研究・普及活動に対応するため、国内対応委員会を設置し検討を実施しています。
Annex研究委員会とは、IEA内に設けられた実施協定の一つである「建物とコミュニティにおけるエネルギー(EBC)」傘下の分科会であり、現在、下記Annexについて、IBEC内に国内対応委員会を設置し、検討を行っています。
Annex88
テーマ | 建築物に設置されたヒートポンプシステムの実働エネルギー効率の評価と実証 Evaluation and Demonstration of Actual Energy Efficiency of Heat Pump Systems in Buildings |
期間 | 2023年度~2027年度(予定) |
研究概要 |
Annex88の研究目的は、建築物の暖冷房にかかるヒートポンプシステムのエネルギー効率のより正確な評価及びヒートポンプシステムの建築物への適用のための、より高い信頼性と透明性を持った設計手法のための科学的基盤を構築することである。ヒートポンプは2050年までに実現を目指す脱炭素社会やそれに適した建築物を目指す上で最も期待されている技術のひとつであり、Annex88ではこの研究目的の実現のため、次のような活動が予定されている。 1)文献資料調査及び建築物におけるヒートポンプシステムの挙動に関する既存のフィールド実測結果(エネルギー消費量、処理負荷量、外気温等の周辺条件、試験結果や圧縮機の仕様などの熱源の特性情報、及び建築物や空調システム全体の特徴、他)の収集 2)エネルギー効率及びその他の特性のための実測手法に関するマニュアルの整備、及びデータベース作成のための新たなデータの取得。 3)既存の試験規格及び手順に拠る製品情報を活用して部分負荷を含む様々な条件下での建築物に設置されたヒートポンプシステムのエネルギー効率とエネルギー消費量を予測するための新規の手法の開発と検証。 4)エネルギー効率の高いヒートポンプシステムのための、実証データを伴う設計ガイドラインの開発 Annex88では住宅及び非住宅建築物におけるヒートポンプシステムの調査が計画されており、主な対象は暖冷房用のヒートポンプシステムであるが給湯用途も含まれている。ヒートポンプ温冷熱源の特性についてのみ研究するのでなく、システムの特性についても研究が行われる。例えば、ヒートポンプシステムの実際のエネルギー効率を維持するための技術(蓄熱槽の利用や熱源台数制御手法など)についても、技術の効率向上に係る有効性を確かめるためのフィールド実測によって検証を行い、そこで得られた結果は、Annex88が開発する設計ガイドラインで活用される予定である。 |
上記Annexに関するお問い合わせは建築省エネルギー部(03-3222-6682)まで